2009-10-14

AP-17

AP-17は僕の好きな素描動画のひとつです。
なんといっても最後の一枚が、ドローイング作品としてカッコイイ。
そしてラストカットに至るアクションも、パワフルでリズミカルです。






これ、カウンターパンチですね。
アーパンが前に出てくるところにパンチが入っている。
破壊力倍増です。

この動画の凄いところは、パンチの迫力と同時に、
硬軟織り交ぜたアクションをリズミカルに表現していることです。

まず、アーパンの動きの軌道に注目してみてください。
真っすぐジャガーに向かうのではなく、
いちど伸び上がり、山なりに弧を描きながら入っていきます。
風船のように、フワッと柔らかい動きです。
それに対しジャガーは、頭を上下させずにパンチの動作に入り、
アーパンの顔がグッと手前に入ってきたところへ、
ビシッと一直線にパンチを繰り出します。

アーパンの動きを柔らかく曲線的にすることによって、
ジャガーの硬くて直線的なパンチが、より引き立つようになっています。

パンチが入ったあとのアーパンの身体にも注目です。
首は横を向くのですが、身体は止まっています。首についていきません。
むしろ右肩はグイと中に入っています。
身体を止めることによってパンチの破壊力は強調され、
ラストカットもキマるんでしょうね。

そんなことを踏まえたうえで見てみると、
「フワッ、ズドン」というリズムでもってこの動画は出来ていることがわかります。
10枚の絵の中に、曲線と直線、硬と柔、動と静が絶妙に絡みあっています。

KKは資料映像などを見ずに、こういったアクションを描いているのですが、
もしかしたら、頭のなかでトン、トン、トン、とリズムをとっているのかもしれませんね。

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