2009-09-25

サイボーグ009 オープニング(1968年)



このオープニングアニメーションは、もう40年も前のテレビアニメ作品ですが、

KKはキャラクターデザイン、作画監督、そしてすべての原画を担当しました。


009のマフラーのしなりがいい!ビームのエフェクト表現がいい!

というアニメファンの方の感想をこれまでに何度か聞きました。

うーむ、たしかに格好いい。


僕はイラストレーターなので、やはり一枚絵としての出来映えに興味があります。

ここではフォルムに着目してみたいと思います。


KKの作画、アニメートは「」に特徴があると思います。

肩をいからせたり、すくめてみたり、どちらかの肩が上がっていたり。


この動画でいうと、

0:009→004のビーム発射のときのポーズ(肩越しの顔)

0:15→009のポーズ(左肩が身体の内側にグッと入る、右肩上がり)

0:53→009の左肩上がり、斜めポーズ


などの絵です。


これは動かすときも同様で、重心移動と同時にどちらかの肩がグッと上がる。

肩を張るポーズがキマッていると、格好いいポーズになるんですね。

マイケルジャクソンのダンス然り。



あと、僕のとっておきの1枚は、

0:31の、009後ろ向きでビーム発射の絵です。

このちょこんと突き出た尻と、内股気味の脚がたまらなくセクシー。

そして例によって肩は左上がり。


これから登場する新作素描も、肩のラインに注目してみてください。


2009-09-23

今日のチョイス

AP-11の中から8枚目のジャガー素描を選びました。
単純な線で描かれていますが、カタマリとしての存在感があります。
影をつけず、線のみで物体の奥行きや重量感を表現するという、
もしかしたら究極の3D技法かもしれませんね。


2009-09-21

実況中継

新たに木村圭市郎(以下KKと呼ぶことにします)実況中継用のブログを作りました。

KK作品について、僕の視点からいろいろ書いていこうと思います。

ジャパニメーションについての知識がほとんどなく、専門的な見方はできないので、

僕にとっての、好きな線、好きなフォルム、好きなアクション、などを基準に解説します。


まずはWORKSの説明を少し。

現在、主人公ジャガーマンの格闘素描動画は3本完成しています。


1、ジャガーマン対アーパン

2、ジャガーマン対ラオジイ

3、ジャガーマン対マオ


それぞれ2分程度のアニメーションです。カット数にして60〜70カット。

WORKSでは、その中から僕が好きなカットを抜粋し、掲載していきます。


それでは早速。


■AP-5A

アーパンのシャドー回し蹴り。

僕がこのアクションの中で注目するのは、腕の動きです。

腕を、下ろした状態(1コマ目)から、まずは胸の前で閉じる(4コマ目)。

次に、グッと開き(6コマ目)、そこから蹴りへ。

9コマ目の、右肩を張り、首を前に出すポーズ、好きです。

そして2発目の蹴りに入りますが、ここからがポイント!

13コマ目と14コマ目。

顔の向きは変わらず、状態だけグッと回転、13で曲げた左腕は14で一気に伸びる。

この14の「開き」に備え、13の左手はグーになっています。

そしてラストカット。肩張り。左手首の返しにも注目。

伸縮と緩急、トリッキーな腕の動きによって、踊るようなアクションに仕上がっています。


へたな解説でスミマセン。

おいおい慣れていきたいと思います。


(下にある一回目の記事は、僕のブログ(キムウィルス)に書いたものの再録です)

2009-09-16

KK-SPIRIT 始動!





「素描動画」というジャンルを勝手に作りました。

略して「素動」。または「素描アニメ」、「ドローイングアニメ」かな。
アニメーターが描く動画の中の一枚一枚の絵って、
素描作品として芸術的価値があるんじゃないか。
素描の連なりである動画を、ストーリーに関係なく、素描動画作品として、
アクションのみを見せる発表の仕方があってもいいんじゃないか。
そんなことを考えたんです。

フレッドアステアの、左足をスッとスライドさせる直前の、
腰のしなり具合いがたまらなく好きで、そこだけ繰り返し見てしまう。

ジーンケリーの、ダイナミックな両手を広げながらのターンを何回も見てしまう。

マイケルジャクソンが、ビリージーンで帽子を放り投げた瞬間の表情が
たまらなくセクシーで、何度見ても飽きない。

そんなことって、ありませんか? 僕にはあります。

たとえば。
KK-SPIRITのトップページに、「ラオジイ」というキャラクターが
走りながらキックを繰り出す素描動画がありますが、
僕はこの動画の中で、 ラオジイがキックの動作に入る直前に、右腕を前に突き出し、二の腕越しに敵をキッと睨み、 重心をグッと前に乗せている絵がとても好きで、何度も見てしまいます。
さらに、前傾姿勢のあとの、上体が伸び上がる動作〜右足をグイッと引く動作。
この2枚の絵があり、そこからキックにつながる瞬間が、ツボです。

かなり個人的な好みではありますが、ハマる箇所は違っても、
同じような見方をする人、 感じる人は、たぶんいるだろうと思います。

父は現在71歳。 昭和のベテランアニメーターが、自身の身体感覚のみを拠り所に、
鉛筆一本で遊び、狂ってみたら、 こんなにも若々しく、圧倒的な芸術作品に仕上がってしまう様子を、僕は実況中継していきたいと思います。

乞うご期待!