2009-10-27
AP-18
手の仕草、特に指の仕草というのは、意識がなかなか及ばないがゆえに、
人の品性があらわに見え隠れするような気がします。
「指がだらしない人」というのはあまり聞いたことがありませんが、
指の所作がやたらと綺麗な人には、生まれ持った品位を感じてしまうのです。
意外と目につく指。期待していない分、ハッとさせられる綺麗な指。
だから役者やダンサーは指の先まで意識して演技をするのでしょう。
ということで、今日は指に注目してみます。
早い動きの中ではわかりませんが、
こうして一枚ずつ見ると、それぞれ指の動きに変化がありますね。
そして、格闘シーンなのに、なんだかエレガントさが漂っています。
これら指の仕草を、KKは意識して描いたのでしょうか。
それとも生まれ持ったクセなのでしょうか。
そういえば、思い出しました。
コーヒーカップを持つKKの小指、立っていたっけ(笑)。
2009-10-14
AP-17
AP-17は僕の好きな素描動画のひとつです。
なんといっても最後の一枚が、ドローイング作品としてカッコイイ。
そしてラストカットに至るアクションも、パワフルでリズミカルです。
これ、カウンターパンチですね。
アーパンが前に出てくるところにパンチが入っている。
破壊力倍増です。
この動画の凄いところは、パンチの迫力と同時に、
硬軟織り交ぜたアクションをリズミカルに表現していることです。
まず、アーパンの動きの軌道に注目してみてください。
真っすぐジャガーに向かうのではなく、
いちど伸び上がり、山なりに弧を描きながら入っていきます。
風船のように、フワッと柔らかい動きです。
それに対しジャガーは、頭を上下させずにパンチの動作に入り、
アーパンの顔がグッと手前に入ってきたところへ、
ビシッと一直線にパンチを繰り出します。
アーパンの動きを柔らかく曲線的にすることによって、
ジャガーの硬くて直線的なパンチが、より引き立つようになっています。
パンチが入ったあとのアーパンの身体にも注目です。
首は横を向くのですが、身体は止まっています。首についていきません。
むしろ右肩はグイと中に入っています。
身体を止めることによってパンチの破壊力は強調され、
ラストカットもキマるんでしょうね。
そんなことを踏まえたうえで見てみると、
「フワッ、ズドン」というリズムでもってこの動画は出来ていることがわかります。
10枚の絵の中に、曲線と直線、硬と柔、動と静が絶妙に絡みあっています。
KKは資料映像などを見ずに、こういったアクションを描いているのですが、
もしかしたら、頭のなかでトン、トン、トン、とリズムをとっているのかもしれませんね。
なんといっても最後の一枚が、ドローイング作品としてカッコイイ。
そしてラストカットに至るアクションも、パワフルでリズミカルです。
これ、カウンターパンチですね。
アーパンが前に出てくるところにパンチが入っている。
破壊力倍増です。
この動画の凄いところは、パンチの迫力と同時に、
硬軟織り交ぜたアクションをリズミカルに表現していることです。
まず、アーパンの動きの軌道に注目してみてください。
真っすぐジャガーに向かうのではなく、
いちど伸び上がり、山なりに弧を描きながら入っていきます。
風船のように、フワッと柔らかい動きです。
それに対しジャガーは、頭を上下させずにパンチの動作に入り、
アーパンの顔がグッと手前に入ってきたところへ、
ビシッと一直線にパンチを繰り出します。
アーパンの動きを柔らかく曲線的にすることによって、
ジャガーの硬くて直線的なパンチが、より引き立つようになっています。
パンチが入ったあとのアーパンの身体にも注目です。
首は横を向くのですが、身体は止まっています。首についていきません。
むしろ右肩はグイと中に入っています。
身体を止めることによってパンチの破壊力は強調され、
ラストカットもキマるんでしょうね。
そんなことを踏まえたうえで見てみると、
「フワッ、ズドン」というリズムでもってこの動画は出来ていることがわかります。
10枚の絵の中に、曲線と直線、硬と柔、動と静が絶妙に絡みあっています。
KKは資料映像などを見ずに、こういったアクションを描いているのですが、
もしかしたら、頭のなかでトン、トン、トン、とリズムをとっているのかもしれませんね。
2009-10-03
AP-16
今日はAP-16のパンチ素描についてお話します。
まずは既出のAP-7Bの左パンチを見てください。
上体を引きながらパンチを繰り出していますね。
次に、今回のAP-16の右パンチ。
実写でパンチ映像を撮影して見比べてみなければ、
まずは既出のAP-7Bの左パンチを見てください。
上体を引きながらパンチを繰り出していますね。
次に、今回のAP-16の右パンチ。
同じパンチでも、AP-7Bはのけぞりながらのパンチ、
AP16は上体をグッと前に押し出しながらパンチを出しています。
こういった描き分けが出来るのは、KKの身体感覚によるものではないかと思います。
アニメーターとしての観察眼というよりは、
実際にパンチを繰り出したときの、身体が覚えている、あの感じ。
若かりしころストリートファイトで相手を打ちのめしたときの、あの感じ(笑)。
さて、このAP16の素描動画ですが、踏み込みの絵を強調するために、
2枚目と5枚目に仕掛けがあることに気付きました。
順番に見ていきましょう。
フィニッシュ(6枚目)への最短コースをたどるのであれば、
ここは反らずに、前傾姿勢になると思うのですが。
実写でパンチ映像を撮影して見比べてみなければ、
この動画の軌道が実際とどう違っているのかわかりませんが、
たぶん、2枚目と5枚目のポーズはあり得ないと思うのです。
たぶん、2枚目と5枚目のポーズはあり得ないと思うのです。
パンチのスピードは遅くなるし。
アニメーションとして必要だったのでしょうか。
ということで、2枚目と5枚目を抜いて動かしてみましょう。
うん、十分いけますね。
スピード感はあるし、キマッています。
ではなぜ2枚目と5枚目にのけぞりポーズを入れたのでしょうか
KKアニメでは、フォルムのデフォルメと同時に、
動きにもデフォルメが加えられていることがよくあります。
パンチのパターンの描き分けが身体感覚によるものだとすれば、
こういった動きのデフォルメは、
アニメーターとしての職業的なクセから来ているのかもしれません。
「もっとハデに」「もっと力強く」見せたい、というクセですね。
だから、前に向かう動きをハデに見せるために、いったんのけぞってみたり、
最後のパンチを力強く、重たくするために、ちょっと反動をつけてみたりする。
たぶん、KKは無意識のうちにやっていると思いますが、
たとえば、これが通常のアニメーション作品の制作となると、
KKが描いた原画に、2枚目と5枚目のような中割りを入れる動画マンは
なかなかいないでしょうね。
そういう意味でも、アニメーターが全部一人で作る素描動画というのは、
作家のこだわりやクセを随所に発見できて、面白いと思うのです。
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